『古事記』や『日本書紀』にその名が登場する「おのころ島」。それらの記述によると日本の国生みの原点となった「おのころ島」
が、淡路島周辺のどこかにあるという神話が淡路に伝わっている。人間が生まれるはるか昔、神様は天上の世界におられた。
ある時、天上の神々が男神・伊弊諾(いざなぎ)と女神・伊弊持(いぎなみ)に「地上はまだ漂うばかりだから、これを固め、国を
造りあげよ」と命じた。伝説上ではこの頃の世界には大地がなく、どろどろの状態だったようである。命令を受けた伊弊諾と伊弊
良は協力して「天の浮橋(あめのうきはし)」から「天の沼予(ぬほこ)」でぎろどろに荒れていた海原をかき回した。矛を上げたと
きに、矛の先から滴り落ちる潮が凝り固り島が誕生したという。そしてその島が「おのころ島」といわれ、現在の淡路町の絵島、
洲本市の成山、南淡町の沼島ともいわれている。伊弊諾、伊井頼の二神は「おのころ島」に降り立ち「天の御柱」を建て御殿を
造った。そこで男の神・伊弊諾は女の神・伊弊卑に「あなたの身体はピうなっているのか」と尋ねた。「わたしの身体には足りな
いところが1ケ所あります」と伊弊舟は答え、伊弊諾は「わたしの身体には余っているところが1ケ所あります」と答え、お互いを合
わせて国を造ろうと交わされた。最初に淡路島を生み、そのあと四国、隠岐の島、九州、最後に本州をお生みになった。
日本列島の最初の陸地として登場したのが、淡路島といわれている。